分圧の法則、分流の法則をわかりやすく解説

電気回路

直列回路と並列回路では、流れる電流と電圧が変わってきます。

今回は分流の法則と分圧の法則について説明していきます。

・分圧の法則とは

直列回路では負荷にかかる電圧はそれぞれ変化します。

このような時に負荷にかかる電圧値を求めるために分圧の法則が使用されます。

まず、下の回路について考えていきます。

直列回路

この回路の合成電圧は V0=V1+V2 ・・・(1-1)
     合成抵抗は R0=R1+R2

抵抗R1にかかる電圧V1は V1=R1・I ・・・(1-2)
抵抗R2にかかる電圧V1は V2=R2・I ・・・(1-3)

(1-1)、(1-2)、(1-3)より

V0=R1・I+R2・I=(R1+R2)・I

\( I = \frac{V_0}{R_1 + R_2} \) ・・・(1-4)

(1-4)を(1-2)、(1-3)に代入すると

V1=\(\frac{R_1}{R_1+R_2}・V_0\)

V2=\(\frac{R_2}{R_1+R_2}・V_0\)

この式を利用して解けば分圧を求めることができる。

・例題(抵抗二つ)

R1にかかる電圧をV1、R2にかかる電圧をV2を求める。

直列抵抗(抵抗二つ)

V1=\(\frac{R_1}{R_1+R_2}・V_0\)=\(\frac{10}{10+10}・15\)=7.5[V]
V2=\(\frac{R_2}{R_1+R_2}・V_0\)=\(\frac{10}{10+10}・15\)=7.5[V]

検算をしてみるとこの直列回路の合成電圧はV=V1+V2で求められる。
      V=7.5+7.5=15[V]
よって、間違がないことがわかります。

・抵抗が3つ以上の場合

この回路の合成電圧は V0=V1+V2・・・Vn ・・・(2-1)
     合成抵抗は R0=R1+R2+Rn

抵抗R1にかかる電圧V1は V1=R1・I ・・・(2-2)
抵抗R1にかかる電圧V1は V2=R2・I ・・・(2-3)
                                                 ・
                                                 ・
                                                 ・
              Vn=Rn・I ・・・(2-4)

(2-1)、(2-2)、(2-3)、(2-49より
V0=R1・I+R2・I +・・・+Rn・I=(R1+R2+・・・+Rn)・I
I=\(\frac{V_0}{R_1+R_2+・・・+Rn}\) ・・・(1-4)

(1-4)を(1-2)、(1-3)に代入すると
V1=\(\frac{R_1}{R_1+R_2+・・・+R_n}・V_0\)
V2=\(\frac{R_2}{R_1+R_2+・・・+R_n}・V_0\)

・例題(抵抗三つ)

R1=100[Ω]、R2=200[Ω]、R3=300[Ω]、E=10[V]とする。
電圧V1、V2、V3を求める。

直列回路抵抗3つ

V1=\(\frac{R_1}{R_1+R_2+R_3}・E\)=\(\frac{100}{100+200+300}・10\)=\(\frac{5}{3}\)[V]
V2=\(\frac{R_2}{R_1+R_2+R_3}・E\)\(\frac{200}{100+200+300}・10\)=\(\frac{10}{3}\)[V]
V1=\(\frac{R_3}{R_1+R_2+R_3}・E\)=\(\frac{300}{100+200+300}・10\)=5[V]

・覚え方

    求めたい電圧=\(\frac{求めたい電圧の抵抗}{合成抵抗}・全体の電圧\)

・分流の法則

並列回路において電流はそれぞれの抵抗に分かれます。
以下のような抵抗が並列接続された回路を考える。

この回路の合成抵抗は R0=\(\frac{R_1・R_2}{R_1+R_2}\) ・・・(3-1)
この回路は並列接続であるため電圧は等しくなる。
           V0=V1=V2
電圧V0は V0=R0・I より
R1・I1=R0・I ・・・(3-2)
R2・I2=R0・I ・・・(3-3)

ここで、(3-1)を(3-2)、(3-3)に代入すると
R1・I1=\(\frac{R_1・R_2}{R_1+R_2}・I\)
I1について解くとI1=\(\frac{R_2}{R_1+R_2}・I\)
R2・I2=\(\frac{R_1・R_2}{R_1+R_2}・I\)
I2について解くとI2=\(\frac{R_1}{R_1+R_2}・I\)

・例題(抵抗二つ)

R1に流れる電流I1、R2に流れる電流I2を求める。
R1=100[Ω]、R2=200[Ω]、I=3[A]とする。

並列回路(抵抗二つ)

I1=\(\frac{R_2}{R_1+R_2}・I\)=\(\frac{100}{100+200}・3\)=1[A]
I2=\(\frac{R_1}{R_1+R_2}・I\)=\(\frac{200}{100+200}・3\)=2[A]

検算をしてみるとこの並列回路の合成電圧はI=I1+I2で求められる。
      I=1+2=3[A]
よって、間違がないことがわかる。

・抵抗が3つ以上の場合

この回路の合成抵抗は R0=\(\frac{1}{G_1+G_2+・・・+G_n}\)  ・・・(3-1)
この回路は並列接続であるため電圧は等しくなる。
           V0=V1=V2=Vn
電圧V0は V0=R0・I より
R1・I1=R0・I ・・・(3-2)
R2・I2=R0・I ・・・(3-3)
           ・
           ・
Rn・In=R0・I ・・・(3-4)

ここで、(3-1)を(3-2)、(3-3)、(3-4)に代入すると
R1・I1=\(\frac{1}{G_1+G_2+・・・+G_n}・I\)
I1について解くとI1=\(\frac{G_1}{G_1+G_2+・・・+G_n}・I\)
R2・I2=\(\frac{1}{G_1+G_2+・・・+G_n}・I\)
I2について解くとI2=\(\frac{G_2}{G_1+G_2+・・・+G_n}・I\)
Rn・In=\(\frac{1}{G_1+G_2+・・・+G_n}・I\)
Inについて解くとIn=\(\frac{G_n}{G_1+G_2+・・・+G_n}・I\)

・例題(抵抗三つ)

I=6[A]、R1=300[Ω]、R2=150[Ω]、R3=100[Ω]とする。
電流I1、I2、I3を求める。

並列回路(抵抗三つ)

I1=\(\frac{G_1}{G_1+G_2+G_3}・I\)=1[A]
I2=\(\frac{G_2}{G_1+G_2+G_3}・I\)=2[A]
I3=\(\frac{G_1}{G_1+G_2+G_3}・I\)=3[A]

Yをアドミッタンスといい Y=\(\frac{1}{R}\)の関係があります。

・覚え方

求めたい電流=\(\frac{求めたいの抵抗のアドミッタンス}{合成アドミッタンス}・全体の電流\)

まとめ

今回は分流の法則と分圧の法則について学んできました。

分流の法則を適応するのは並列回路、分圧の法則を適応するのは直列回路です。

これを覚えていれば値のわからない電流や電圧を知ることができます。

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